D-BROSのクリエイターズダイアリーを実際に使っていただいてる方々に日々のスケジュール管理について伺うインタビュー第2弾。

第2回は、数寄屋大工の職人から建築家という異例の経歴をもち、文化庁の文化交流使として国内外でも活躍される建築家・美術家の佐野文彦さん。

後編では、常時複数のプロジェクトを抱える佐野さんが、実際にどのようにスケジュール管理をしているのか、具体的なクリエイターズダイアリーの使い方を伺いました。

>>前編はこちら


 

タスクを書き出し、全体をイメージする

−−全体スケジュールはGoogle Calendarで、クリエイターズダイアリーは自分のやることをチェックするタスク帳として使っていただいているということですが、実際にどんな風に使っているのでしょうか?

下(ガンチャート*1)のところに自分で見出しを作って貼っていて、プロジェクト毎にやらなきゃいけないことを書くんです。書くことでなんとなく全体をイメージしています。

 *1 : プロジェクト管理や生産管理などで工程管理に用いられる表の一種。作業計画を視覚的に表現するために用いられる棒グラフのようなフォーマット

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大体ここ(下)に書くことは大まかなタスクですね。さらに、そのタスクのための資料づくりや電話など、To Doなんかも一緒に書き込んだりしています。

−−結構細かく書かれるんですね。この斜線はチェックですか?

はい。やったことはチェックをして、やれなかったことはもう1回隣に書いて、次の日のタスクにします。

−−なるほど。タスク帳としての使い方はいいですね。この見出しのアイデアもすごく便利!

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塩ビのシートを本体に貼り付け、付箋をガンチャートの見出しに。

 

もう5年くらい前からやってますかね。列がどれだかわからなくなるじゃないですか。毎年張り替えて使ってます。

−−付箋になっているので、入れ替えたりもできますね。

終わったら剥がして、新しいものをつくって入れ替えて。挟むとしおりにもなるんです。

−−それはぜひ真似したいアイデアです!ひとつひとつのプロジェクト期間は結構長いんですか?

そうですね、タスクが継続するプロジェクトで、3ヵ月越えるものはここに書き出して管理してますね。

−−今までで1番長いプロジェクトはどれくらいですか?

でも、そうでもないですよ、2年とか。

−−2年!?それくらい長期になると、やはり細かくタスク管理をしていかないとゴールまで到達できないということなのでしょうか?

いや2年あっても、さすがに2年先まで予定は組めないので、どっちかっていうと、来月の打ち合わせまでになにをやるかなど短期的なスケジュールを組んでます。

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結局最後にアイデアを形にするのは残りの一週間くらいなんです。全部長期で俯瞰してみるというよりは、そこまでに何を積んでいくか。何をどれくらいリサーチし、意識して探していくのかが重要になってきます。この日まではアイデア出しをして、他の(プロジェクトのもの)も一緒にみて、これはそろそろやらなきゃいけないぞ、というのが書いているうちに把握できてくるんです。

 

 

タテ軸(バーチカル*2)は日々のタスクの組み立てに

−−上(タテ軸)はどうやって使ってますか?

下(ヨコ軸)に書けない細かいことや、管理するほどでもない小さな案件は上に書いてます。あと、めちゃめちゃ詰まってくると、タスクごとにどれくらいの時間がかかるかなと書き出して計算してみることもあります。例えば、締め切りが決まっているのにやることがいっぱいあるという時。残された時間の中で収まるか収まらないか考えて、これは30分でやる、これは1時間でやる、2時間、2時間、、、、ってタスク毎にかかる時間を計算して、一日の中の時間を積んでいったりすることもあります。

*1 : 時間軸と呼ばれる、縦に時間ごとの目盛りが用意されたフォーマット

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−−赤と青はどう色分けしているんですか?

赤はスケジュールで、青はやらなきゃいけないタスクですね。

−−タスクがわかりやすいですね。

そうなんです。だから最近は、赤文字でのスケジュール管理にはあまりフォーカスしていません。スケジュール管理という意味ではGoogleカレンダーでスタッフと共有している方が忘れないし、スタッフがアップするものもあるので。手帳にはやらなきゃいけなかったはずだということをなんとなく見ながら書き出していくようにしています。あと最近よくやっているのは、さらに細かいTo DoをA4の紙にもう1回書き出すんです。

−−タスクの確認を徹底されているんですね。書くことでなんとなく不安も薄れたりしますよね。

そうそう、やらなきゃいけなかったなと思って再認識できますね。

 

すべての時間が学びの時間

−−スケジュールの整理はいつやっていますか?

1日の中でお風呂とか、どこかの時間をつくってやってます。

−−お風呂ですか?!

以前、ある企業の社長さんとなぜトライアスロンをやるのかというお話をしたことがあるんですが、自転車を漕いでるときは肉体的にはそう苦しくはないんだけど、それ以外なにもできない。つまり考えることはできるけど何にもできない状態、そうゆうタイミングに何か素晴らしいアイデアを思いつくことがあるという話をされていて、なるほどなぁと思ったんです。お風呂にはパソコンはもっていけないし、必然と何もできないので、お風呂の時間にスケジュール管理したり、文章考えたりだとか、明日何しようかというのを整理する時間にしています。

−−それは面白い習慣ですね。じゃあ毎日お風呂の時間はきちんと設けていらっしゃるんですね。

基本的にはそうですね。毎日見直してます。その時間がまともにとれない時にスケジュール管理が甘くなっちゃうんでけど(笑)

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−−最終的なアウトプットは1週間くらいとおっしゃっていましたが、アイデアを考える時間やリサーチ時間はどのくらい取られていますか?

結構長いですね、それが一番メインです。どのへんまでアイデア出しか線で引っぱって書いてます。

−−忙しい中でどうやってその時間を作っているんですか?

そのための時間をどう作るかはあまり考えてなくて。というのも結局、いつも意識してるんです。

例えば、銀座に行って2時間あったら、ギャラリーとか4,5件見て回っちゃったり、仕事で美術館行っても、設営の合間に他の部屋でやっている展示を見に行ったりしているので。

−−日々、学びと吸収の時間なんですね。

そうですね。学びとアイデア出しもやりつつ、近くで見れそうなものは見に行く。
昔から思っていることは、これまで何億人という人々が二千年くらいかけて考えてきたことを知らないよりは知っていた方が絶対よいと思っていて、誰かの考えたものの上に乗っかって、更に自分たちがものを作った方が絶対面白いものができるので、出来るだけたくさんものを見ることは意識しています。

−−自分の知識を広げていかないと、新しいアイデアはでてこないですよね。

大切だと思いますね。極力いろんな事を経験していろんなものをみる、いろんなところにいく。だから出張大好きなんです。

 

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佐野文彦(さの・ふみひこ)プロフィール

1981年奈良県生まれ。京都、中村外二工務店にて数寄屋大工として弟子入り。年季明け後、設計事務所などを経て、2011年独立。現場を経験したことから得た、工法や素材、寸法感覚などを活かし、コンセプトから現代における日本の文化とは何かを掘り下げ作品を製作している。2016年には文化庁文化交流使として世界16か国を歴訪し各地でプロジェクトを敢行。地域の持つ文化の新しい価値を作ることを目指し、建築、インテリア、プロダクト、インスタレーションなど、国内外で領域横断的な活動を積極的に続けている。http://fumihikosano.jp

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「insistence」
北陸国際工芸アワードのためにつくられた、クジラの骨を研磨してつくったプリミティブルな刃物。人間の「凝り」と「文化」をテーマに、鏡のような表面に対し、裏面を刃物で表現。日本の捕鯨問題へのアンチテーゼ的な意味をこめた作品。


▼クリエイターズダイアリー インタビュー 「みんなの時間の作り方」 バックナンバー
vol.01 渡邉良重さん (アートディレクター)
vol.02 佐野文彦さん(建築家/美術家) 前編
vol.02 佐野文彦さん(建築家/美術家) 後編
vol.03 chikaさん(主婦/営業事務) 前編
vol.03 chikaさん(主婦/営業事務) 後編

 

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