D-BROSのプロダクト開発にも関わるDRAFTのデザイナーに、日頃どんな生活をしているのかQ&Aで訊くコーナーです。シンプルな質問から日々の日常を紐解きます。第7回は関本明子です。


 

−−「日々デザイナー」第7回は、D-BROSの二十四節氣カレンダーを手がける関本さんの日常を訊いてみたいと思います。よろしくお願いします!

関本 よろしくお願いします。

−−DRAFTに入社してどれくらいですか?

関本 アルバイトの初日が大江戸線が開通した日だったんです。真新しい大江戸線に乗ってきたのをよく覚えています。18年目かな。社員になって17年です。

−−朝、会社に来て必ずすることはありますか?

関本 なるべく朝早く出社して、集中して考える時間を作ることですかね。私は、デザインするときに集中するまとまった時間が必要です。でも、日中は打ち合わせもあるし、電話やメールのやり取り、社内の急なインナーなど、それ以外で集中する時間を作ろうと思うと必然的に夜になってしまう。夜遅くは人も少なく静かだし集中しやすいと思います。昔は夜遅くまで会社にいて作業していたけど、歳を重ねこれからも長くデザインの仕事を続けたいと考えるようになり、色々と試みた結果、今は集中する時間を朝にも作るようにしています。

−−朝型にして何か変わりましたか?

関本 大きく変わったのは、体調を崩すことが少なくなりました。実は、昨年、D-BROSの二十四節氣カレンダーを作ったことがきっかけで、「生活リズムアドバイザー」と「健康リズムカウンセラー」という資格をとりました。その中で学んだのですが、朝起きて、朝日を浴びて、朝昼晩ごはんを食べて、少し体を動かして、夜ちゃんと寝る。人間ってそれさえやっていれば大体健康でいられるんです。心身が整っていないといい仕事もできないし、朝型にしたことで、仕事のパフォーマンスは、私の場合は良くなりました。

−−なるほど。そういう仕事の仕方もありますよね。

関本 良い仕事をする為に、どういう生活を心がけたらいいかを知ることは、損なことではないなと思います。私は今の所、たまたま朝方でうまく行っているという感じです。

−−デスク周りはどんな感じですか?

関本 なるべくデスク周りは物を置かないようにしています。例えば、ギラギラした主張が強いものがあるとデザインに影響しそうな気がするので、視覚に入るところには極力物を置かないようにしています。あ、でもこの2つだけ置いてますね。

関本 ukaのネイルオイルは、香りがとても好き。

−−あ、いい香りですね!

関本 プレゼンする時って手先がよく見えるので、ハンドケアには気をつけています。あとは、掃除用のこのブラシ。

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関本 ブラシの仕事をしたいなぁとずっと思っていて。スウェーデンの「イリス・ハントバーグ」っていうブランドなんですが、いろんな型のブラシを出していて、デザインはもちろん好きなんですが、障害者が製品を製造する仕組みを作っていたりなど、会社としての姿勢も素晴らしいブランドです。

−−かわいいですね。

関本 ブラシって面白いんですよね。日本ではいいブランドが世間に伝わっていないくてもったいないなと思うことが良くあります。ドイツの「レデッカー」とかもそうですけど、生活の中に密着してるブラシのブランドが日本にはあまりないから、日本のブラシならここの!というそういうブランドがあったらいいなって思います。

−−仕事にかかせない道具は?

関本 「ファーバーカステル」のシャーペン。重さがちょうどいいんです。軽すぎてもしっくりこないし、重すぎちゃうと疲れちゃうし。金属のこの感じがちょうど良くて、もう10年以上ずっと使っています。あと、長めの消しゴムがついてるのが気にいっています。

関本 結構手を動かすことが多いので。パッと消せて、パッと絵が書ける、そういうところが気に入ってます。あとやっぱり、毎日手にしていて気分の良いデザインであること。

−−仕事中の息抜きは何をしてますか?

関本 とりあえず外に出て歩く。身体を動かすことですかね。理論的に考えたり、想像したり、頭だけ使うとやっぱりバランス悪くて、外に出て身体を動かす。歩いて何かを見に行くとか、頭と体のバランスって大事だなぁと思っています。あと日頃の息抜きにはヨガをやっています。ヨガはもう10年くらいずっとやっていますね。

−−仕事中心がけていることは何ですか?

関本 「前向きに良いところをみつける」。それは対人関係においても、仕事においてもそうしています。意外と自分たちのいいところに気が付いていないということが仕事のハードルになることが結構多くて。ブランディングや、企業と付き合うときには、ここがあなたたちの魅力ですよと明快に伝え、気がつかせてあげることを心がけています。

−−情報収集は何でしていますか?

関本 直接見に行く、会いに行く、体験しに行く。簡単な情報はWebでいくらでも探せるけど、五感を通じ身体を通して知ることに勝るものはないと思います。

−−今、読んでる本はありますか?

関本 これ「広告はわが生涯の仕事に非ず―昭和宣伝広告の先駆者・太田英茂」(多川精一著)です。原弘さんや、木村伊兵衛さんを発掘して育てた方で、太田英茂さんという方の伝記のようなお話です。この太田英茂さんという方は、現代でいうプロデューサーに近い立場の方だったと思うんですけど、まだ日本にデザイナーという職業ができる前から、デザインと企業を結びつけるということをしていた方です。ここ2,3年くらい、年齢的なこともあって、日本のグラフィックや広告デザインの歴史に興味が湧くようになりました。今まではあまり読んだことなかったんですけど、最近はこういった本をよく読んでますね。

−−好きな音楽は?

関本 映画音楽が好きでよくサントラを聞いていますが、中でもミュージカル映画の音楽が好きです。元気を出さなきゃいけない時はメリーポピンズの「スーパーカリフラワージスティックイクスピアリドージャス」を聞きます。古いのも新しいのも好き。映画音楽は情景が浮かぶのでいいですよね。

 

−−東京で好きな場所はどこですか?

関本 生まれた実家のまわり。中央区勝どきの先の海の方です。目の前が海で、海のにおいがして、港なので倉庫とかコンテナとかいっぱいあって。まわりはビルだらけの都市なんだけど、海を感じる場所です。

−−アイデアはいつ考えますか?

関本 朝、自宅から10分〜20分歩いて出社するのですが、その時間が結構大事で、その間に色々なことが整理されることが多いです。あとは、お風呂に入ってホッとした時とか、寝る時にベッドに入ってリラックスした時とか。身体がよい状態になった時というか、歩き始めてしばらくして血行良くなった時とか、お風呂で身体が温まった時とかにふと浮かんだり、繋がったりすることがありますね。

−−脳が活性化するんですかね。

関本 なんででしょうね。私の場合は、一言で言うと、血の巡りが良い時のような気がします。

−−デザイナーになろうと思ったきっかけは?

関本 いくつかあるんですが、母方の家系が芸大卒が何人もいたり、日本画家の方がいたりするアーティスト家系で、祖母の家に行くと絵が飾ってあったりして、小さい頃から絵が好きでよく描いていました。だからずっと絵を描けたらいいなぁというのが漠然とあったのですが、昔から絵描きだけにはなるなとずっと言われていて(笑)。

−−そうなんですね(笑)。

関本 絵描きじゃなかったら建築家がいいなぁと思ってたんですが、美大の予備校時代に、池袋の西武に「アール・ヴィヴァン」っていう画集やアート雑誌などが揃う本屋さんがあって、そこで大貫卓也さんの「大貫卓也全仕事」をみていたら、自分が気になってたものが全部載ってたんです。としまえんとか、ラフォーレの広告とか、この人の仕事だったんだ、と思って、こういう仕事できたらいいなと思いました。で、本の経歴をみたら、多摩美、博報堂って書いてあって、絶対美大に行こうと決意しました。

−−そこからDRAFTに入社することになったのは?

関本 芸大に入ってから植さんや良重さんが作るD-BROSのカレンダーに出会って、ドラフトって会社が作ってるんだ、こういうことを考える会社って面白いなぁと思っていた時に、ちょうど宮田さんが特集されている『デザインの現場』を読んだんです。それで、この会社でデザインの仕事をしたいなあと思ったのがきっかけですね。

−−人生のポイント、ポイントでDRAFTや宮田さんとも縁があったんですね。

関本 今思うとね。

−−やりたいことを追い求めていったら、結果的にデザイナーだったという感じなんでしょうか?

関本 大貫さんのとしまえんの広告をみて、小さいながらに心を動かされました。としまえん楽しそう!行きたい!って。D-BROSのカレンダーもこんなカレンダーがあるんだ、素敵だなぁ、欲しいって。だからデザイナーになりたいというよりは、作ることで人を楽しくさせる、そういう仕事をしたいなと思ったのがきっかけですね。

−−これからやってみたい仕事はありますか?

関本 もともと新体操をやっていたりとか、ミュージカルが好きってこともあるんですけど、身体芸術が好きなんです。今話題のフィギュアスケートとかもそうですけど、身体を使って美しく魅せるということに昔から興味があって。なんかそういうことに関わる仕事がしたいなぁと思ってます。そういうところってうまくデザインが入り込めてないところが多いから、もったいなぁと思っていて、関われたらいいなと思いますね。

−−宮田さんから言われた言葉で印象的なものはありますか?

関本「いい女、いい男になれ」かな。

−−おもしろいですね。

関本 これってすごく大事なことだと思っていて、「いい」の理由は、人それぞれだと思いますが、やっぱりみんな素敵な人と仕事したいじゃないですか。それは当たり前のことだし、素敵な人とだったら素敵な世の中を作っていけると思います。

−−最後に、恵比寿のおすすめランチ教えてください。

関本 会社の近くにある、Good Luck Curry です。開店と同時に行かないと、入れない人気のお店なのですが、とても美味しいスパイシーなカレーが食べられます。

−−ありがとうございました!

 


 

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二十四節氣カレンダー

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第1回:杉山耕太
第2回:小山麻子
第3回:勝目祐一郎
第4回:飯田郁
第5回:岩永和也
第6回:福澤卓馬

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