現在好評発売中の「二十四節氣カレンダー」はD-BROSが今までにない新たなテーマを持って制作したカレンダーです。

なぜ、いま二十四節氣なのか。カレンダーを通して伝えたかったことは何なのか。デザインを手がけた関本明子と宮田識の対談です。

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二十四節氣と私たちの関係

宮田「立冬とはどういう時期ですか?」

関本「冬が始まる時期です。秋分の日を境にだんだん日照時間が短くなっていきます」

宮田「いつが一番短いですか?」

関本「一番短いのは冬至です。今年は12月22日ですね。今は冬至の直前なので、まだちょっと秋の名残が残っていて、これから本格的に寒くなる、そういう季節ですね。この時期はちょうど雨が少なくて、ちょっと穏やかな日を小春日和っていうみたいですよ」

——冬なのに?

関本「そうそう、冬なのに」

宮田「小春日和という言葉ひとつとっても、消えてしまったよね」

関本「そうですよね」

宮田「普通に考えたら小春日和って言うくらいだから、2月とか3月頃、春に向かっていく時期に使う言葉のように思えるけど、実はそうじゃなくてこの季節ですよね」

——そうですね。

宮田「そういった自然にまつわることと食べ物や体の具合との関係を、『冬至』や『大寒』などの24の節氣としてまとめられたのが大昔に中国で考えられたのが二十四節氣なんですよね」

関本「もともと中国の気候を元に名付けられたものなので、日本の気候とは合わない内容もありますが、日本ではそれを補うために、『八十八夜』や『半夏生』などの雑節を取り入れています」

宮田「七十二候はそれをさらに細かく分けて、四季と生活と体の関係を整理した考え方。簡単に言えば季節の変わり目とか、季節の真っ最中に体がどんなふうに動いているか、体にある血とか水の動き、筋肉の動きなど、そういった大事なものの関係論を含めて、自然と体がその季節に合わせて何か変化する時期ですということだよね。1番わかりやすいのは冬と夏。冬の真っ最中っていうのは人が一番息苦しくなっていて、体が弱い人は亡くなってしまうこともある。夏の真っ最中もそういうことがありますが、亡くなる人の多くが1月。」

——ほんとですか?!

関本「1日の中でも明け方の一番気温が下がる時間帯に一番死亡率が高くて、かつ冬が一番多いそうです」

——温度がすごく影響するってことですよね。

関本「二十四節氣の面白いところは、太陽が一番高い時(夏至)と一番低い時(冬至)に合わせて一年間を24に区切っていて、その日照時間=地上の寒さや温かさなんですが、それに合わせて人の体がどう変化するかとか、どういう風に生活をしていったらいいかというのが明解にまとめられているというところ。人間にとって、ものすごく機能的で便利なものなんですよね」

宮田「そうそう」

——考えた人は本当にすごいなと思いますね。

宮田「今はもう17時ぐらいに暗くなるし、朝も明けるのが遅いでしょう。ということは、その間ゆっくり寝なさいってことを言ってるんだよね。早めに寝なさいと。要するに、それがこの時期の体の状態ですよと。多めに寝て、後はしっかり働きましょう。そういうことだよね」

——はい。

宮田「夏になると今度は長くなるよね。19時半ごろまで明るくて、日が昇るのも早い。4時半ごろにはもう明るくなっている。要するに、そんなに寝なくても体が保つということになるよね。暖まってる体が一番良いわけだから、常に暖まってる体の状態を作っている時は、逆にそんなに寝なくても順調に回りますよということ。ただ、熱によって痛めつけられることもあるから、それが今でいう熱中症とか、疲れ果てて内臓などの機能が低下してしまうという真夏の一番危険な状態があって、そういったことの関係も二十四節氣からきていると思いますよ」

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身体と話し合えるカレンダー

関本「2017年『体内時計』のメカニズムを発見した医学者がノーベル医学賞を受賞したそうなんですが、それによると、人間の中に体内時計というリズムを刻む機能があって、1年の周期や、1日の周期を刻むものがもともと体の中に備わっているらしいんです。そういうことが昔からなんとなく皆わかっていて、二十四節氣だったり、七十二候とかにまとめられていたんじゃないかと思うんです。やっと現代になって医学的にそういうことが証明されつつあるというのは、とても面白いことだと思います」

宮田「本来はこういうことを加えながら、もっとおしゃれなカレンダーができたり、ちゃんと理解してもらう構造がありながらとても見やすかったり、そういう仕組みをカレンダーに取り入れていかないといけない。ただ日付を確認するだけ、スケジュールを入れるだけではないものにしていかないと」

——カレンダーとしてだけではないものに?

宮田「うん。自分の体と話し合えるカレンダーじゃないとダメなんじゃないのかなと思っている」

——なるほど。対話できるカレンダーですか。

 

すべてが自然とつながっている

——実際に日常の中で二十四節氣を実感することってありますか?

関本「以前、金沢の人に12月はちょうどブリがおいしいからと言われて金沢に行ったことがあるんです。寒ブリの季節で、この時期はみぞれが降って雷がなるとブリの始まりだからって言うんです。その時はちょうど『大雪』の時期なんですよね。漁だったり、食べ物だったり、そういったことからも季節を実感できるタイミングがあるんだなぁと」

——あぁ面白いですね。

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関本「あと、毎年必ずある時期に、色んな方から集中してお誘いを受けることがあるんですよ。それが大体この時期(4月の1週目〜2週目)なんですよね、『清明』と言う季節。この前ってまだちょっと寒さが残っているんですが、春分を境に日が伸びて急に暖かくなってきて、人間も活動的になるから自然と人と会いたくなるんじゃないかなと思ったんです。自分自身も外に出たり、人と会いたくなったり、そう思うことが多いタイミングで。それが今までずっと不思議だったんですよ。でも今回二十四節氣を知って、あぁそういうことだったんだと実感しました。
地球が暖まって、人間も暖まって活動的になるんだなぁというのがわかって、自分も地球の一部なんだと(笑)」

——自然に動かされているのかもしれませんね。宮田さんはどうですか?

宮田「木が紅葉するじゃないですか。次にそれが枯れて落ちますよね。葉に色が付いていることには理由があり、葉っぱを落とすには落とす理由があるんです。例えば、この杏は広葉樹なんだけど、細胞がものすごく細かくて利口な木なんですよ。僕は冬になったら葉を落としてくれないと、枝がボロボロ折れるのは嫌ですと言ってるわけ。ある程度葉っぱが色付き終わる頃には風がどんどん吹いてくるんだけど、それまでに葉を枯れさせて、できるだけ落としやすくしてるんだよね。

——すごい。

宮田「うん、ちゃんと季節にはまっているんだよね。例えば、今、山に行くとものすごい風が吹く時期なんです。10月の終わりぐらいから11月の中頃まで」

関本「木枯らしですね」

宮田「とんでもなく強い風が吹く。あっという間に葉っぱが落ちて、一気に消えるわけですよ。さっきまで真っ赤だった山が、次の週に行くと何も葉っぱがなくなってる。その瞬間次に雪が吹き始めるわけですよ。雪が降ると木は雪の重さでみんな折れちゃうんだよね。葉っぱがあるとそれがさらに折れやすいので、早く葉っぱを落とそうとしている」

——守ろうとしている?

宮田「そう、守るんだよ、自分自身をね。それが季節とうまく合って、木も少しずつ進化しながら今の木になっている。だから木は、我々よりももっと先にこの二十四節気というものを敏感に感じながら、対応しながら今まで生きているってことだよね」

——自然ってすごいですね。

関本「だから木枯らしって言うんだ」

——ほんとですね、まさに木枯らし。

宮田「そう。そういうのがつながっている」

関本「つながってますね」

宮田「ところが、今の人達はそういうことを感じもしないで、寒いなぁと言ってあったかいところにいる。寒いのが普通なのに、その寒さにどう対応するかということを考えもしないで、ただぬくぬくしているだけ。ほんとにそれでバランスが良いのかというと、そうでは無いんだろうな。今の家は完全に密封されていて、暖房をつければとても快適に過ごせるけど、適度に寒いというのはやはり重要なことなのかもしれないね」

——自然とともに生きるということですね。

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自分の生活を見直すきっかけにしてほしい

宮田「自然のそういった流れにどうやって食事や睡眠など合わせてやっていくのか考えることが、普通に健康になる方法論なんだろうね」

関本「冬をどう過ごすか」

宮田「うん、そういうことだと思う。ある程度体を動かすために冬のスポーツというのがあるし」

関本「寒稽古って言葉がありますよね」

宮田「うん、あるね。寒さが一番厳しい時にやる稽古。冷たい海の中を泳ぐとか、滝に打たれるとかね」

——そういった言葉や文化もすべて意味があって生まれてきているんですね。

宮田「そうそう。そういうのが全部体と季節との関係でつながっているんです」

——いや、ほんと面白いですね。もっと知りたくなります。

関本「単純に、二十四節氣を知っていることで楽しい一年を送れるんじゃないかな」

宮田「うん、そうだよね」

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関本「私も今回のカレンダーの制作をきっかけに、二十四節氣を知ることができてよかったなぁと思ってます」

——このカレンダーをきっかけにそういったことに興味を持って、自分で調べたり、日常の生活の中に取り入れてくれたらいいですね。

関本「そうですね。例えば、この時期は湿度があがってくるから部屋を換気しようだとか、お母さんが家族の健康を考えて食卓のメニューを考えるとか、そんなきっかけになると嬉しいなと思います」

——いいですね、寒くなってくるから体を温めるものを作ろうとかね。

関本「知っててもどこまで出来るかというのはありますが、知ってたら知ってたで日々の健康管理にも役立つ気がしています」

宮田「少しでも知っていればね」

関本「違いますよね」

宮田「自然と覚えて、自分が大人になった時に自分の子供たちに与えて、自然と継承していく、それが重要なんだろうね」

——はい。ありがとうございました。

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