2016年のカレンダー「name of colors」から2年ぶりとなる渡邉良重デザインのカレンダーは「記憶」。写真とイラストからなるカレンダーは、美しい絵を飾るかのように楽しめる特別な1冊になりました。そんなカレンダーはどのようにして生まれたのか、制作にかける思いをきいてみました。

 

物語を想像するカレンダー

−−今回のカレンダーはどのように構想したのでしょうか。

「2014年の『Dear Bear』も水彩でしたが、最近水彩で絵を描いていなかったので、久々に水彩で絵を描いてみたいなと思って描きました」

▼物語付きカレンダー「Dear Bear」(2014)
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−−画材で雰囲気がだいぶ変わりますよね。

「そうですね。あとは、写真と絵の組み合わせにしたいなというのもありましたが、最初からこうしようというのは、はっきりは決めてませんでした。」

−−使われている写真はどうやって選んだものですか?

「1月の写真は植さん(植原)が撮った写真で、2月は知り合いのカメラマンに撮ってもらったもの」

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−−えっ、そうなんですか!このカレンダーのために撮影したんですか?

「いや、特にカレンダーのためというわけではなくて、CACUMA(渡邉がつくる洋服ブランド)や、何かに使えたらいいなと思って撮りためたものの中から選びました」

「4月は私が撮った写真を元に書いたもの。5月は古い道具屋さんに売られていた写真です」

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−−イラストの部分も全部元になる写真が存在しているんですね。

「モノクロの写真は色を想像したり、小さい写真は引き伸ばすとぼけて曖昧なところもあるので、自分なりに想像しながら描いています」

−−なるほど。これはどなたの写真ですか?

「9月は私の写真。スイスのバルスに行った時のもの」

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−−わぁ、きれいですね。ちゃんと、ひとつひとつの写真にストーリーがあるんですね。

「身近な写真と古いものと、そういった写真たちですね」

−−タイトルは「記憶」ということですが。

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「写真と絵の関係や、ページをめくり進めていくことで、ちょっとした物語みたいなものを、見る人が感じてもらえたらいいなと思います。記憶とは違うかもしれないけど、そこに広がる物語が何かを思い出させるものかもしれない」

−−確かになんだか懐かしい感じがしますよね。

「そうですね、現代っぽくはないですね。そういう意味では「記憶」というタイトルにあっているのかもしれません」

−−今回のカレンダーは数字が縦に表記されているのも特徴ですよね。あまり見慣れないですが、どうして縦組みなんですか?

「縦表記って玉組がかっこいいんですよね。曜日のアルファベットも入ってくるので、いわゆるカレンダーとは違う見え方になる。ちょっと見慣れない玉組が面白いなと思っています」

−−はい、なんだか違和感ありますね。

「ありますよね。昔の海外のカレンダーって縦組みのものがあるんです。なんかそれがいいなとずっと思っていたんです」

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紙ものプロダクトの良さとは?

—話は変わりますが、D-BROSでは20年以上前からずっとデザイン的なカレンダーを作り続けているわけですが、今スマホなどの普及で世の中から紙のカレンダーがどんどん少なくなってきています。それについてどう思われますか?

「カレンダーに限らずデジタルって便利だけど、例えば写真をとってデータとして保存したり、本をデジタルで読むのもいいんですが、そういったものは通り過ぎていきますよね。もちろん後で見直せばいいんだけど、どんどん新しいことがやってくるから、ついつい忘れていってしまう」

−−わかります。自分の中に残らないですよね。

「そう。紙だと写真にしても、本にしても、例え忘れていても目に入った時に、あぁって取り出してみたりすることができるけど、デジタルは忘れたまんまですよね。紙の形に残る良さというのがあると思うので、手帳にしても、デジタルも辿っていけば見返せますが、5年前の今日、何やっていたかなってパッと見返すことができる、形になって残っているっていうのはやっぱりいいなと思います」

−−ほんとにそうですよね。

「CDとかもそうじゃないですか。データとしてより形としてある方がいいですよね」

−−はい、私もそっち派です。

「やっぱり好きなものはCDとして買っておきたいなとは思いますね」

−−モノと自分の思いが結びついているというのもありますよね。

「モノは未練なく捨てた方がいいとも言いますが、その中でも好きなものはモノとして持っていたい。それが影響するんだろうなと思う」

−−あぁ、その人に影響する?

「そうそう。その人自身とか日常とか。私だったら作るものとかに」

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自分をつくっているモノたち

「今度、KIGI_M(KIGIのクリエイションをつめ込んだ不定期マガジン)の004を作ろうとしているんですが、その中で、私の部屋にある好きなものたちを本に載せようと思っているんです。子供の頃の服とか、昔おじいちゃんにもらった羽子板とか、自分で買ったものとか、全部で90個くらい写真を撮りました」

−−おぉ、そんなにたくさん。それは見てみたいです。

「こういうものも何かしらその人を作っているちょっとした要素になると思うんです。ゴージャンスなものは持っていないけど、その人が好きで持っているものって、その人のことをちょっとずつ作っているはずだから」

−−きっと、よしえさんを感じるものたちなんでしょうね。

「ちょっとしたものでも、それぞれにちょっとずつ宝物で、私が作っているものも誰かにとってそんな風になったらいいなと思っています」

−−そうですね。そんな風に思ってもらえたら嬉しいですよね。

「D-BROSで作っているものはそういう思いで作っているので、カレンダーも手にとってもらえたら嬉しいです」

−−ありがとうございました。

 

▼渡邉良重が手がけたカレンダー「記憶」はオンラインショップにてお買い求めいただけます。
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