2017年の植原亮輔のカレンダーは「FOLD 12|’17」。ページをめくって、付属のクリップで留めるという立体的なカレンダーは今年で6年目を迎えます。折るという新たなアイデアを加えて誕生した今回のカレンダーにはどのような思いが込められているのか、制作にかける思いをきいてみました。

——今回のカレンダーはどうでしたか。

「今まで5年間はROLL(めくってとめる、立体的なカレンダー)を作ってきました。今年も同じ仕組みでやってみようかなという思いもはじめはありましたが、やや心境の変化があり、少し違うアイデアを考えてみました」
5m▲Helveticaを使用した2016年カレンダーの「ROLL12|’16」

 

——最初は二方向で考えていたんですね。

「そうですね。昨年作った2016年版のHelvecicaでは余分なところを一切そぎ落として検証を重ねてデザインを仕上げました。コンセプシャルで今までで一番シンプルに仕上がり、気に入ってたけど、ちょっと違う方向性でチャレンジしてみようと思ったんです。あと今まで組んでいたスタッフが変わったこともあって、気分一新しようかなと。ただ、全く違うアイデアにするとお客さんも裏切られた感があるのではと思い、“カレンダーをめくる途中で止めて表と裏の関係でデザインが成立する”という仕組みは引き継いだ方がお客さんにも喜ばれるんじゃないかなと思いました」

——今までは毎年新しいデザインを発表してきましたからね。

「取り扱ってもらうお店にとっても前回の流れをくんでいた方が扱いやすいということは経験上わかっていたので、同じ仕組みは引き継ぎたいなというのがありました。そこで、今回は丸まっていたものをビシっと折ってみました。折ったカレンダーをどう料理するかということを色々と試行錯誤して。かなり難しかったですね。結果的には折ることでここにひとつの四角い世界をつくったんです」

——なるほど。二枚の四角い紙を重ねたように見えますね。

でもここ(下の端)が切れてるんです。本来ならここの角がはみ出して四角になるんですけど。そこが実はずっと自分の中でひっかかっていたんだけど、意外とデザイン的な処理の仕方で成立するってことがデザインしていく中でわかってきたんです」

fold_3_a▲紙を折ることで青い四角の世界が現れる。左端が切れているため不完全な四角形。

 

——なるほど。

「要するに逆に言えばここがいい。端が切れていることがいいんです。だからこの形であるという必然性もあるし、ここ(数字の部分)とのデザインの関係性もあるし。でもこの端の切り方っていうのが大事で、じゃあどこで切るかというのをデザイナーの岩永と一緒に試行錯誤していったという感じですね。デザインは基本的にROLLに近い。文字との関係、月の表示の仕方とか、昨年のデザインの流れを意識しているんだけれども、明らかにコンセプトが違う」

——そうですね、根本的に考え方が違いますよね。

「そうですね。ROLLは丸めてカレンダーとして成立させるという考え方で、今回は折ることによってここに別の世界観をつくる、フレームをつくるという考え方。ちょっと違いますね」

——ROLLシリーズでは、紙選びにも毎年こだわってきましたが今回はどうでしょうか?

「今回は最近気に入っている紙で『トクビシアート』という紙を使っています。ツルツルとザラザラが同居してる不思議な紙なんです。これがまたいいんです」

fold_uehara

——ほんとだ、触った感じが全然違いますね。印刷している色によっても全く違って見えますね。

「そうそう。ツルツルとザラザラが裏と表になっているんですけど、もちろん刷ったら色が変わります。表裏で微妙に色に違いが出てしまうため、印刷やさんに色を同じにしてほしいとオーダーして、特別にインクを配合してつくってもらいました」

——それは印刷やさんも大変でしたね。

「いやーそうなんです。すごい細部まで気を使ってくれているんですよ」

——選んだ配色についてはなにか意図がありますか?

「全体のカラーリングが綺麗な方がいいと思って、バランスをみて決めました。原色ではなく、少し濁らせたり、少し偏らせたりとか。グリーンも深緑にしてみたり、明るいピンクだったり、気持ちのいいカラーリングになるよう意識しました」

——インテリアとしてのポイントにもなりますよね。

fold_10_a

「そうですね。この月(10月)もいいなぁ(笑)」

——ありがとうございました!

 

▼植原亮輔が手がけた2017年カレンダー「FOLD12|’17」はこちらよりお買い求めいただけます。
fold_img_01

D-BROS MAGAZINEでは、カレンダー・ダイアリーを制作したデザイナーたちの思いや制作秘話を紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

2017D-BROS カレンダー「JUMP」デザイナーに制作の思いを聞いてみました。<前編>
2017D-BROS カレンダー「JUMP」デザイナーに制作の思いを聞いてみました。<後編>

CREATOR’S DIARY 2017 ができるまで(情報篇)
CREATOR’S DIARY 2017ができるまで(小口篇)
CREATOR’S DIARY 2017ができるまで(完成篇)

▼D-BROSの公式SNSを日々更新中!
Facebook:D-BROS
Twitter:@DBROS_info
Instagram:@dbros_official1995

top

diary_img_01