こんにちは。デザイナーの田中健一です。

昨年、休みを利用して、ヨルダンにあるシリア難民キャンプを訪れる機会がありました。自分の中で中東のイメージが変わる貴重な経験となったので、今回は撮影した写真を中心に、難民キャンプがどんな場所で、どんな人々が暮らしているのかを、少しながら紹介してみようと思います。
127cc87ef8a29b69b851c0a5d92772142013年に撮影された空撮写真 [State Department photo / Public Domain]

シリア紛争が始まって4年。2012年に設立されたこの場所は、3年以上が経ち、多くの人が既に2〜3年という長い時間を過ごしている場所です。東京ドームだと130個分にもなるという広大な土地は、歩いても歩いても同じような景色で、道の終わりが全く見えないような場所でした。

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初期のテント暮らしは終わり、現在は各家庭にキャラバンと呼ばれるコンテナの支給が行き渡った状況で、それが各自の家になっています。

難民キャンプへは日本のNGO、JENが支援をしている雑誌プロジェクトのボランティアスタッフとして滞在しました。「難民による、難民のための雑誌」という面白いコンセプトのプロジェクトを行っていて、現地の高校生から大学生の年齢の子がスタッフとなり、キャンプ内の情報伝達手段としてジャーナリズムの視点も含んだ情報誌を制作しています。

ここには8万人が暮らしているので街と言える規模なのですが、メディアが無いために多くの人に情報を伝えるする手段がありません。雑誌はその役割を担いつつ、この活動自体が職業訓練にもなるという素敵なアイデアのプロジェクトでした。
6b4879045784c713cfc3f68a3e243a33オフィスとして使用しているコンテナでの編集会議の様子。
e6754db53fbbb3a4f13049aa76092a43僕自身は現地雑誌スタッフにデザインや写真の話をさせてもらいました。

特殊な状況下ですが、雑誌をデザインすることでコミュニケーションが取れ、スムーズに情報伝達ができて、彼らの生活に楽しみが与えられるという今回の事例に出会えたことは、デザイナーとして、とても嬉しい出来事でした。

災害時などの特殊なシチュエーションで、例えば土木や医療のように彼らを直接支える支援は難しいですが、デザインという職業にもできることがあるんだと気づかせてくれました。

1ab456993ec298d3ee9a54faeaa6d59f雑誌を配布したったときに集まってきた子供達。娯楽が少ないこともあり雑誌は人々に愛されていました。

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ここからは、現地で撮影した写真を中心に、難民キャンプの人々の様子を紹介したいと思います。フィルムカメラで、出会った人の、その人らしい表情を求めて撮影をしてきました。
9661b805fc9717a0568a4be339478302難民キャンプ内を一緒に廻った撮影担当のユニス。大人びた風貌の割には23歳でびっくり。

d4adc7a4c7b5238370bd95af444526ddお世話になったJENの現地スタッフ達。JENは雑誌プロジェクトの他に、上水のタンク管理や公衆衛生教育などを行っていた。日本の支援がここまで届いているというのは嬉しく、誇らしい。

802a281fcfa57b03152697b873e07a50難民キャンプの外壁。設立当初に貼られた写真は日光ですっかり赤が抜けおち、時間の経過を物語っていた。

5ecf3314620274ebc8610e7f3efd9385外で遊んでいた子供達。子供も大人も、シリアの人は謙虚で恥ずかしがり屋の人が多かった。

08f9c233d4392d6b7386b2c3516efa05商店が並ぶ大通りにて。赤ちゃんや弟の世話をしている女の子をよく見かけた。

cad8959f82d71ffd30ad2991eb490a3cコンテナを改装した床屋。友人の髪を切るアハマッドも雑誌スタッフ。25歳とは思えない貫禄。

42f5d065f2510e8f222ae74f1507b9c9家に招いてくれた男性とその子ども。 キャラバンと呼ばれる彼らのコンテナの家の前で。

6cc1df7ee960590a44bdd8ddf682c536爆発で片足を失った元兵士のアミン。難民キャンプでの生活は大変だと言っていた。

a4efee59b152cac2d36abba78ed06ff3親の営む香水屋で手伝いをしていた少年。壁に並ぶ瓶から小さな瓶に小分けて売ってくれる。

125447d245e272583fad09ebad8fb175帰り際、恥ずかしそうに写真を撮ってほしいとお願いしてきた女の子。子供達が本当にかわいかった。

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僕たちの生活とは180度違う場所で、イスラム国の影響もあり、中東やシリアにはネガティブなイメージがありますが、実際に行って、僕が会った人の多くは日本人のような謙虚さがある、優しい人達でした。

写真を通じて、彼らに親近感を感じてもらえたり、シリアやヨルダンに対するネガティブなイメージが薄れると嬉しいです。

今回現地で撮った写真はNGOの支援になるようにと提供し、会報やポストカード、webで活用してもらいました。まだまだ模索中ですが、デザイナーとして写真やデザインで社会問題の解決につながることをこれからも考えていきたいと思っています。

田中

もし興味があれば他の写真は僕のサイトにも載せています。
http://kenichi-photography.com/Za-atari-Refugee-Camp

おせわになったNGO、JENのヨルダン特設ページ
http://www.jen-npo.org/jp/project/project_jordan.php

 

※追記(2016/08/31)
現地で撮影した写真をお世話になったNPO、JENの年次報告書にも採用して頂きました。
デザインや写真で社会貢献をする、という目標が一つ、形になったことは、とても嬉しいです。
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