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六角形の不思議なカードゲーム「Rocca」アートディレクター柿木原政広氏に思いを訊いてきました(後編)

Roccaのアートディレクター柿木原政広氏(株式会社10)インタビューの後半です。前半はRoccaの立ち上げからブランドを確立させるまでのお話を伺いました。後半はRoccaを通して得たものや学んだこと、そして今後のRoccaの展開について訊いてみました。

>>前半のインタビューはこちらからご覧いただけます。

 

 

第3章 ワークショップで得たこと

−−ワークショップをたくさんやられていますよね。

はい。ワークショップをする度に毎回新しいことをしようと決めていて、だからコンテンツが毎回違うんです。

−−例えばどんなことですか?

ある時は大きなRoccaを用意して子供達とすごろくゲームをしたり、ある時は撮影することをベースとしたワークショップだったり、ある時はコマ撮りの撮影をしてみんなで映像作品を作るワークショップだったり。スキー場でコマ撮りしたものをつなげて、雪でできたスクリーンに映像を投写したりもしました。
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▲雪のスクリーンに映像を映したワークショップの様子

>>その他ワークショップで制作した映像作品はこちらからご覧いただけます。

−−すごい!それは面白そうですね。現在はどれくらいのペースでやられてるんでしょうか?

2ヶ月に1回くらいでしょうか。

−−実際にRoccaを知っている人が参加するんですか?

Roccaって本当に知られていないんですよ(笑)デザインの講義でたまに聞くんですが、知っている人は少なくて全然知られてないんだなとリアルに実感しています。デザイン学校の学生たちにさえ、ADCを受賞したことも知られてなかったり、まだまだだなと思います。(グラフィックデザイン界でその年の優れたデザインに贈られるADC賞をRoccaで2011年に受賞)

一見仕事とはまったく無縁のようなことをやっているように見えるんですが、意外と無縁じゃないんですよね。広告の仕事に役立つヒントがいっぱいあるんです。DRAF在籍時代によく宮田さんが言ってたことなんですが、D-BROSで覚えたことを別のことで活かしていることって実は結構多いと思うんです。流通の仕組みのことだったり、ものの在り方のことだったり、関係性のことだったり。そういうこともすべて含めて考えると、無縁じゃないんですよね。

 

第4章 Roccaがつなぐ人の輪

−−側からみると広告の仕事とゲームって全く異なるジャンルだと思うのですが。

でもRoccaで知り合った人のネットワークがその後の仕事に役立ってることが多いかもしれません。

−−そっちが入り口なんですね。

はい。例えば、2011年の4月にミラノサローネに出展したいと思い、ミラノに視察に行ったのですが、その時出会った方達が本当に今大切な方ばかりなんです。

現地でマルニ木工の山中社長と、マルニのブースで偶然川島蓉子さんにお会いした際、二人から「ロッサーナ・オルランディ」という素敵なギャラリーを教わり、そこにいらっしゃる中尾さんを紹介していただきました。

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▲ミラノで一目置かれるセレクトショップ「スパシオ・ロッサーナ・オルランディ」。ミラノサローネの時期にはたくさんの人で賑わう。オーナーのロッサーナおばさんに気に入ってもらわないとここで展示をすることはできないというが、後にRoccaはここで展示をすることになる。

 

また現地で知り合いのブースを訪ねた際に、たまたま近くにいた方々とRoccaでゲームをしたことがあったんですが、その時に出会った六本木経済新聞・編集長の笹生さんがRoccaをすごく気に入ってくださり、その後日本でRoccaの展示をするきっかけをつくって頂きました。

翌年の2012年には、準備万端で参加したミラノサローネで、現地に行ってからディストリビューターがいないとRoccaを売れないというアクシデントがあったのですが、笹生さんの助けを借りてディストリビューターを探していたら、それが一年前にご挨拶した中尾さんだったということがありました。笹生さんや、中尾さん、あの時出会った方々のおかげでなんとか無事にミラノサローネでの展示を成功させることができたんです。
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▲2012年にはRoccaの展示でミラノサローネに参加。念願の「ロッサーナ・オルランディ」にブースを構えた。

−−つながってますね!

2、3泊の本当に短い時間でしたが、ミラノでとても大切な出会いをたくさん得ることができました。その縁は今でも繋がっています。

笹生さんとは、ミラノで頑張っている日本の企業を紹介する「Salone in Roppongi」というイベントを企画段階から一緒に関わり、今は運営にも携わっていますし、川島蓉子さんとも未来研サロンを立ち上げる時に関わり始めて、今も様々なお仕事でご一緒させてもらっています。すべてきっかけはRoccaを通して出会ったことなんです。

−−Roccaのつながりが広がってるんですね。

そうなんです、それも結構大きいんですよね。よく宮田さんは関係性のことを重要視していましたよね。自分でもそういうことをいつも意識してきたからだと思います。その意識なくやってこなかったら、それぞれで終わっていたかもしれません。Roccaもここまで広がっていなかったかもしれない。だから宮田さんには頭があがらないんです(笑)

−−それは今になって思うことですか?

はい。もちろん広告の仕事をやっていても大人数と関わり、広がりはあったかもしれないですが、今は信頼できる人たちと蜜に関わって一緒に問題解決をしていくという仕事が多いですね。

−−そういう仕事は求めてもなかなか得れないですよね。

その時はそのきっかけをそれでつかんでいるっていう認識はなかったのですが、今思えばあれがなかったらどうなっていたんだろう、あれがなかったらどうなっていたんだろうってことばかりですね。本当にここまで綱渡りできたという感じなので(笑)

−−それはやはりRoccaを売り目的ではなく、人の想いをつなげるためのツールとして作ったものだから、ここまで広がったんでしょうね。

そうですね。その意識でずっとやっていけば、すたれることはないと思っています。飽きられたらまた新しいものを出せばいいし、そこでいう飽きられるって、本当の意味で飽きられることじゃないという気がしています。

−−では最後に今後の展開について教えていただけますか?

今年のミラノサローネでは「Rocca Town」と「32bits」という積み木を中心に展開しようと思っています。
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▲2014年に発売した「Rocca Town」家と家がつながり、街が広がっていく。
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▲32個の木のかけら(bit)からなる積み木。薄い布を挟んだ仕組みにすることで、通常の積み木では不可能な、さまざまな形をかんたんにつくることができる。

 

Roccaに関してはその時新鮮だと思えることをやり続けるっていうのが重要かなと思っています。フェスでライブをやったり、そういうことも。

−−Roccaと関係なくてもやるっていうのが面白いですよね。

そうですね。Roccaイベントでまた大切な出会いがあったり、面白いことが起きるかもっていうのもありますし。

−−柿木原さん自身が楽しんで活動されてるのが伝わってきます(笑)

はい、楽しんでます(笑)

−−だからRoccaのまわりにはみんなが集まってくるんですね!

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今回インタビューでお話を伺った「Rocca」はこちらよりお買い求めいただけます。
D-BROS WEB STORE
D-BROS WEB STOREとD-BROS品川店にて「Rocca Classic」、「Rocca Card Blocks」、「Rocca Rail」、「Rocca Town」の4種類のRoccaをお取り扱いしています。

<Roccaとは>
Roccaはゲームデザイナーのトゥルーリ・オカモチェク氏と、ドラフト卒業生でアートディレクターの柿木原政広氏(株式会社10)がつくったカードゲームです。平面だけど立体的に見える、ちょっと不思議なカード。ゲームが進行するにつれて、積み木のように重なり合い、立体的な絵をつくりだします。六角形のカードから驚きと楽しさが広がる新感覚ゲーム。

 

<デザイナープロフィール>
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柿木原政広
KAKINOKIHARA masahiro

アートディレクター/グラフィックデザイナー
Art Director / Designer

1970年広島県生まれ。ドラフトを経て2007年に株式会社10(テン)を設立。
JAGDA会員。東京ADC会員。
主な作品にsingingAEON、R.O.Uのブランディング、東京国際映画祭、静岡市美術館などを手がける。著作に福音館の絵本「ぽんちんぱん」。2003年日本グラフィックデザイナーズ協会新人賞受賞。2007年森美術館の「日本美術が笑う」でADC賞受賞。2011年「Rocca」でNewYorkADC 賞SILVER、ONESHOW merit賞、東京ADC賞受賞。「静岡市美術館」のCIでONESHOW PENCIL賞受賞。2012年「Rocca」でGOOD DESIGN賞受賞。

 

D-BROS MAGAZINEでは、4種類のRoccaについて詳しく紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

Roccaに関する記事
六角形の不思議なカードゲーム「Rocca」D-BROS WEB STOREにて取扱いはじまります!
その1:ロッカの原点「Rocca Classic」(ロッカ・クラシック)
その2:積み木のようなカード「Rocca card blocks」(ロッカ・カード・ブロックス)
その3:カラフルな街が広がる「Rocca Town」(ロッカ・タウン)
その4:不思議な列車の旅へ「Rocca Rails」(ロッカ・レイル)
六角形の不思議なカードゲーム「Rocca」 アートディレクターの柿木原政広氏に思いを訊いてきました(前編)

 

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About the Author

Eriko Fujitani

1982年新潟生まれ。文化服装学院ファッション情報科卒業。映画配給会社を経て2011年ドラフト入社。D-BROS事業部担当。