家族や友人と集まる機会がなにかと多いこの季節。D-BROSがおすすめするのは「Rocca」(ロッカ)というカードゲームです。

Roccaは、ゲームデザイナーのトゥルーリ・オカモチェク氏と、アートディレクターの柿木原政広氏(株式会社10)がつくった六角形のカードゲーム。平面なのに立体的に見える不思議なカードを使って、様々なゲームを楽しむことができるのはもちろん、こだわりを感じるカードのデザインも魅力的です。

今回はデザインを手がけた、ドラフト卒業生の柿木原氏にRoccaについての話を伺いました。

Roccaの誕生にはある運命的な出会いがありました。

 

第一章 出会い

——まずRoccaをはじめることになったきっかけを教えてください。

トゥルーリさんが20代の頃、イタリアで旅行している時に、ヴェネツィアのあるバールで日本語を話せるおばあさんがいて仲良くなったんです。次の日にそのおばあさんの家に遊びに行って、その方の旦那さんとも仲良くなったんですが、実はその方がアレックス・ランドルフ(※)という世界的なボードゲームのデザイナーだったんです。
※ボードゲーム界における偉人の一人。『ガイスター』『ヴェニス・コネクション』『チャオチャオ』『子豚のレース』など数多の名作を生み出したゲーム作家。

その後も親交を深めていたんですが、今から9年くらい前にお亡くなりになり、ヴェネツィアまでお墓参りに行くという日の前日に、突然頭の中に六角形がポーンと浮かんできたらしいんです。これはゲームになるかもしれないと思いたって、手作りでサンプルを作り、おばあさんに見せて「実は日本出る前にこれがふと思いついて、もしかしてゲームにできるかもしれない。アレックスが教えてくれたのかも。」と話したら、おばあさんは「いいですね」と言ってくれたそうです。

そのまま興奮して帰ってきて、これをやるとしたらカッキー(柿木原氏)しかいないと言って話をしてくれました。そうして最初に作ったのが「Rocca Classic」です。1、2週間後にはほぼ最終の形に出来上がっていました。
20120413_56bbb3▲ 最初にうまれたRocca「Rocca Classic」

——デザインはすぐに決まったんですか?

最初、カードゲームなのでベーシックな遊びとして使えた方がいいということで、トランプの仕組みを使って、頭の上にダイヤとかクローバーとか、数字を入れてたんだけど、なんとなく人格を感じさせた方が魅力的だと思い、このようなデザインにしました。
Exif_JPEG_PICTURE▲ かわいらしい顔のようなカードたち

——そうして最初のRoccaができあがったんですね。

できちゃったという感じでした。トゥルーリさんとアレックスの出会いがなければ、Roccaは生まれていませんでした。

 

第二章 Roccaの在り方

——自分たちで販売もしてるんですよね?それは結構大変ですよね、、

大変さはD-BROSを横目でみていたので、なんとなくは知っていました。その時はビジネスにしようとはこれっぽっちも思っていなかったんです。それより「ゲーム作ったんだけど、ゲームしませんか?」って言うと、ほとんどOKしてくれるんです。中々会えない人にも会ってもらえるんですよね。

——なるほど。確かに気軽ですよね。

10の立ち上げの頃は、仙台に行って伊坂幸太郎さんとゲームをやったり、いろんな人と会ってRoccaをするということをやっていました。そういうことがすごく楽しくて。自分としてはそういうことを繰り返しながら、ブログでアップしていくことが価値かなと思ってやっていました。

でもある時、隣の部屋ではスタッフが一生懸命広告の仕事をやっている時に、この部屋ではカードゲームでものすごく盛り上がっているっていう状況があって、コミュニケーションの本質でいうとどっちが正しいんだろうって不思議に思ったんです。それまでは生業として広告をやるということを前提としていたので、ある意味Roccaは中途半端な気持ちで、遊びとしてやっていたんですが、中途半端はだめかもなって。じゃあ考え方を中途半端じゃなくしてみようと思いました。

それで何を考えたかというと、六角形という仕組みは優秀だからいろんな仕組みに展開できるなと、商品も人の輪も広げようと考えました。でも、一歩間違えるとプロモーションツールになりかねないので、それは嫌だなと思いました。ただ商品のバリエーションを作るのではなく、もうちょっと一歩踏み込んで、何かを好きだという人達と、その人達が大事にしているものや想いを共有していく。そういう概念を軸に付き合う関係がいいなと思ったんです。

——具体的にはどういうことですか?

静岡にアレックス・ランドルフのゲームを紹介し続けてきた「百町森」というお店があり、そこと組んで「Rocca Card Blocks」を作りました。そこにはネフの積み木デザイナーでもある相澤さんという方がいらっしゃるんですが、説明書にもある積み木のパターンを考えてもらったりして、「Rocca Card Blocks」はゲームを愛する、積み木を愛する「百町森」と一緒に作りました。

rcb▲ 積み木のような「Rocca Card Block」

「Rocca Book」は長野県の高遠でブックフェスをやっている人がいて、本を愛する「本の街プロジェクト」の人たちと一緒に作りました。

story04_ph02▲ 本が並んでいく「Rocca Book」※現在は品切れ中

「Rocca Rail」は札幌のマイレールプロジェクトというのがあり、市電がループ化するという流れの中で作ったものです。

rails_draft_002▲ 線路をつなげていく「Rocca Rail」

「Rocca Town」は縁と縁をつなぐ“新しいお祭り”をテーマにした展覧会「フューチャー縁日」のために作ったものです。

town_draft_002▲ 家と家がつながり、街が広がっていく「Rocca Town」

要は、一個一個それを大切にしたいという概念を持っている方達と組む。それ自体が軸になっているから、そうすると商品がずっとなくならないんです。愛してくれているから。

——ひとつひとつにそういうストーリーがあったんですね。

「Rocca Book」を増刷していないのは、そのブックフェスがいま休止しているからで、また本を愛する人が見つかる、或はブックフェスが再開したら増刷を再開したいと思っています。ものの在り方がそういう方がいいなと思っているんです。売れないから商品がなくなるとかそういうことではなく、概念としてちゃんと存在する意味があるということを軸に展開していきたいです。

発売した当時は、新聞に掲載されたこともあって、たくさんの問い合わせを頂いたんですが、大手流通は売れない商品は売れないってレッテルを貼られてしまう恐れがある事を、広告の仕事を通して分かっていたので、問屋や大手流通はすべてお断りし、ミュージアムショップなど、ちゃんとこのゲームのルールを説明できますっていうところにだけ置いてもらうことにしたんです。なので、最初から今も変わらずお付き合いしてもらっているところばかりです。将来的にそういうタイミングになったら大手流通に入れてもいいかなと思ってはいますが、その時がくるまでは入れないと決めています。

まぁひとつのブランディングの案件と同じなので、普段の仕事で身についているノウハウみたいなことをここで生かしていこうと思っています。運良くデザインの賞をもらったりして、商品展開を広げています。ミラノサローネも2012年と2014年と出していて、2016年も出す予定です。そして今に至っています。最近は雑誌に取り上げられたりだとか、置いてもらえるところが増えたりだとか、発売から5年経ちますが、やっとちょっと浸透し始めてきているのを実感しています。

<後編へつづく>

>>六角形の不思議なカードゲーム「Rocca」 アートディレクターの柿木原政広氏に思いを訊いてきました(後編)

 

年末年始、大切な人たちとテーブルを囲んでRoccaを楽しんでみませんか?
D-BROS ではWEB STOREとD-BROS品川店にて「Rocca Classic」、「Rocca Card Blocks」、「Rocca Rail」、「Rocca Town」の4種類のRoccaをお取り扱いしています。年内発送は12月27日(日)までですので、ぜひお早めにご注文ください。

 

Roccaはこちらよりお買い求めいただけます。
D-BROS WEB STORE

D-BROS MAGAZINEでは、4種類のRoccaについて詳しく紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。

Roccaに関する記事
六角形の不思議なカードゲーム「Rocca」D-BROS WEB STOREにて取扱いはじまります!
その1:ロッカの原点「Rocca Classic」(ロッカ・クラシック)
その2:積み木のようなカード「Rocca card blocks」(ロッカ・カード・ブロックス)
その3:カラフルな街が広がる「Rocca Town」(ロッカ・タウン)
Roccaシリーズその4:不思議な列車の旅へ「Rocca Rails」(ロッカ・レイル)

<Roccaとは>
Roccaはゲームデザイナーのトゥルーリ・オカモチェク氏と、ドラフト卒業生でアートディレクターの柿木原政広氏(株式会社10)がつくったカードゲームです。平面だけど立体的に見える、ちょっと不思議なカード。ゲームが進行するにつれて、積み木のように重なり合い、立体的な絵をつくりだします。六角形のカードから驚きと楽しさが広がる新感覚ゲーム。

<デザイナープロフィール>kaki

柿木原政広
KAKINOKIHARA masahiro

アートディレクター/グラフィックデザイナー
Art Director / Designer

1970年広島県生まれ。ドラフトを経て2007年に株式会社10(テン)を設立。
JAGDA会員。東京ADC会員。
主な作品にsingingAEON、R.O.Uのブランディング、東京国際映画祭、静岡市美術館などを手がける。著作に福音館の絵本「ぽんちんぱん」。2003年日本グラフィックデザイナーズ協会新人賞受賞。2007年森美術館の「日本美術が笑う」でADC賞受賞。2011年「Rocca」でNewYorkADC 賞SILVER、ONESHOW merit賞、東京ADC賞受賞。「静岡市美術館」のCIでONESHOW PENCIL賞受賞。2012年「Rocca」でGOOD DESIGN賞受賞。

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