先日、いいことがありました。

久しぶりに閉め出しをくらったのです。

もちろん、これが直接いいことではありません。

その日は少しやりたい作業があって、早めに出社したのです。

そうすると、めずらしいことに会社に泊まって残っている人もおらず、まだ誰一人来ていない。

玄関には当然鍵がかかっていて、どうやっても入れない。

もともとやりたい仕事があったから早めに来たのに、入れないのですから、もう気持ち的にはがっかりです。

そんなこんなで、なかなかあきらめきれず試行錯誤してみましたが、どうにもこうにもうまくいきません。

仕方がないので、誰かが来るのを待つことにしました。

ふてくされて、しばしの沈黙。

ザザー。

風で揺れる木の枝の音。

若葉。

隙間から見える真っ青な空と。

流れていく雲の群れ。

冷たくて新鮮な風とあたたかい日差し。

いつの間にかこんなにも春が近くに来ていたのです。

いつも目にしているはずの場所なのに、なんてドキドキするんだろう。

こんなものをデザインできたらなぁ。

幸せなんだろうなぁ。

期せずして、大切なことを思い出すことができました。

 
▼バックナンバー
雪国の冬は白。東京の冬は。

高度なデザインは、簡潔で複雑なものです。

思い立ったばかりのアイディアは、 炊きたてのご飯のようです。

デザインの気づき